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Diary over Finite Fields

515ひかるが書き溜めたメモとコラムと雑記

『女王の百年密室』、またしてやられた。

読書

とりあえずまず落ち着こうか。

僕は今から、『女王の百年密室』というタイトルのSFかつミステリィ*1の少し不思議な世界から戻ってきたばかりだ。だから僕は一旦落ち着いて考えないといけないし、これからこの記事を書くにあたり頭を冷やして冷静な目で世界を見ないといけない。

とりあえずまず落ち着いて、そうだSpacemacsを使い始めたしMarkdown Layerでもいじろう、あれ、なんか違う……

まぁ、今日はどうせ面白いと叫ぶだけだ。

読み終えた時になんで今まで読まなかったんだろうか、という後悔のようなものが押し寄せる小説ってたまにある。例えば、僕が初めて『虐殺器官』を読んだときには伊藤計劃は既にこの世を去っていた。他にも国語の教科書に載っているという理由で遠ざけていた夏目漱石の『こころ』は、自分で教科書関係なしに読んでみると、先入観なく邪魔も入らず読めてとても面白かった。初めて『共喰い』なんかは芥川賞受賞作というのと、会見かなんかが変に注目されたせいででなんとなく避けていたが、作品を読んだ時は面白さに武者震いがした。こういう思いは何度もしている。

だけど、それを森博嗣氏でもう一度味わうとは思っていないじゃない。

このブログにいくつか記事を書いているけれど、僕は S&M と V と 四季、 G の既刊は読破し、 W シリーズ最新刊以外は読んだ*2。『スカイ・クロラ』とか、他にもシリーズはいくつもあるけれど、あまり読んでいない。別に講談社が好きなわけじゃないけれど、どうしてか講談社から出るシリーズばかり読んでいる。

そんな中、以前『そして二人だけになった』を読んだという記事を書いたが、それはもともとは『女王の百年密室』を読もうとしてのことだ。このシリーズを読もうとしたのは、どこかで森氏が「Wシリーズ単体で楽しめるようにはもちろん作っているけれど、女王の百年密室は読んだほうがいいかもしれない」(うろ覚え)とかどこかで言っていた(書いてあった?)からだ。僕は森さんに儲かって欲しいので(本当のことを言うとそうでもない)、せっかくだから百年密室シリーズを買った。そして読んでない、という状態だった。いつ買ったのかは覚えていないのだが、おそらくお金を使うことでストレスが解消できると信じていた頃に買った。

さて、ご存知のように僕はいまとても暇だ。ハードSFを読んだり、半月に5本映画みたり、買った4冊の新書を数日で読破する程度には暇だ。ハードSFを読み終えたので『女王の百年密室』を読んでみたのだ。

面白い。

なんだこれは。近未来を舞台にしたSFミステリィ*3と一言で言ってしまえばそれだけなのだが、ルナティックシティと現代世界の価値観の交錯、「システム」を支えているもの、生と死をどうとらえるか、そしてこの邂逅。知的でスリリングでエンタテインメントである。

Wシリーズで「ウォーカロン」なるものが出てくるが、その前身として「ロイディ」が出てくる。ロイディもウォーカロンだが、Wシリーズのそれとは質が違う。今後それらはどう関連してくるのだろうか。いや、その前に僕は女王の百年密室シリーズを読破しなければ……、Wシリーズを読んでいる場合ではなくなってしまった。

森博嗣の小説は文学作品である前にエンタテインメントだから、面白く作ってあるとはわかっているのだが、それでも面白いと叫ばずにはいられなかった。

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

*1:わざと書いている。

*2:最新刊『デボラ、眠っているのか』は昨日10月19日に発売しました。

*3:くどいようだが、わざと書いている。