Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

数列の和とか級数とか.

やっと色んな事が面白くなってきた。その代わりに色んなことを諦めているので知らないうちにいろんな人に迷惑をかけているのかもしれない。

今日は(今日も?)久しぶりに高校数学をしたので、高校数学のことでも書くかって思ったので少し書きます。

等差数列と等比数列の積の和

うん. すごく簡単な話.

次の和を求めよ: {0 < r < 1} とするとき, {
\begin{align}
\sum_{n=0}^\infty \left(1+\frac{n}{2}\right)r^n
\end{align}
}

久しぶりにこんなの計算しました*1.

ご存知のように*2, 例えば実数列 {\{a_n\}} 無限和というのは部分和の列 {S_k = \displaystyle\sum_{n=0}^k a_n} の極限である, つまり
{
\begin{align}
\sum_{n=0}^\infty a_n = \lim_{k\to\infty}\sum_{n=0}^k a_n
\end{align}
}
である. これは高校の教科書にも書いてある*3.

なので, 部分和をとりあえず計算すればよい. 計算する方法はご存知のように等比数列*4の和の公式を導出する方法と同じである. つまり, 部分和 {S_k}{rS_{k}} の差を考えるのである. 実演しよう.

{
\begin{align}
S_k = \sum_{n=0}^k a_n &= 1 + (1+1/2)r + (1+2/2)r^2 + \cdots + (1+k/2)r^k \\
rS_{k} = \sum_{n=0}^k r a_n &= \hphantom{1+ \ } (1+0)r + (1+1/2)r^2 + \cdots + (1+(k-1)/2)r^k + (1+k/2)r^{k+1}
\end{align}
}

となるので,

{
\begin{align}
S_{k}-rS_{k} = (1-r)S_k & = 1 + \frac{1}{2}(r + r^2 + r^3 + \cdots + r^k) - (1+k/2)r^{k+1} \\
& = 1 + \frac{r(1-r^k)}{2(1-r)} - (1+k/2)r^{k+1}
\end{align}
}

これと, {0 < r < 1} より, {
\begin{align}
S_k = \displaystyle\frac{1}{(1-r)}\left(1 + \frac{r(1-r^k)}{2(1-r)} - (1+k/2)r^{k+1}\right) \to \frac{1}{1-r}\left(1 + \frac{r}{2(1-r)}\right) = &\frac{2-r}{(1-r)^2} \\
& (k \to \infty)
\end{align}}

よって,
{
\begin{align}
\sum_{n=0}^\infty \left(1+\frac{n}{2}\right)r^n = \frac{2-r}{(1-r)^2}
\end{align}
}
となる. これで合ってるはず*5.

いやー懐かしい. そして受験のとき勉強したことを使うのが久しぶりで懐かしくて書いてしまった次第.

*1:なぜ計算したのかは書かないスタイル.

*2:だったらなぜ書くのか, 誰にも分からない.

*3:少なくとも僕が高校生だったときには書いてあった.

*4:等比級数とうっかり書きそうになったが, 無限和のときしか級数という言葉は使わないのでここでは等比数列の和の公式と表記することにした.

*5:一度計算ミスに気がついて修正した. 実はまだ間違っているとかいう可能性も零ではない.