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Diary over Finite Fields

515ひかるが書き溜めたメモとコラムと雑記

読んだことのある初学者向けの数学書

数学

おすすめの数学書などというとおこがましいので, 私がまともに読んだことのある, 初学者, あるいは一年生むけのもののいくつかをまとめようかと思う. 以下では, 「本」 と書いてあったら数学書のことと思ってほしい.

なおどの本もすべて読み切ったわけではない.

集合と位相空間

森田茂之先生の, 『集合と位相空間』 で位相空間の基本を勉強した. 私は自分で勉強したのはこの本だけである.

講座 数学の考え方〈8〉集合と位相空間

講座 数学の考え方〈8〉集合と位相空間

位相空間の定義から, 距離空間の完備化とかその辺の話までは読んだ記憶がある. 簡潔な議論で私の好みだったんだと思う. ちなみにこの本には選択公理から Zorn補題, Zorn補題から整列可能定理, 整列可能定理から選択公理の証明が載っていて, 私は読んだ.

群論と環論の基本

私の同級生や後輩は, 群の定義などを新妻弘先生の 『群・環・体入門』 で学んだという声がある*1. それもいいが, 私は松坂和夫先生の 『代数系入門』 を読んだのが始まりだった*2.

代数系入門

代数系入門

初心者で集まってセミナーするには, 適度に易しく適度に読者に任されるのでいいのではないかと思う. 私はこれの群の部分と環の部分を読んだ. 具体例で Gauss 整数環 {\mathbb{Z}[i]} を扱ったりした記憶がある*3. 所持していないが思い出がある.

微積分 (古典解析)

いま読んでいる. 何度かこのブログでも紹介している, 斎藤毅先生の 『微積分』 である.

微積分

微積分

個人的にはおすすめである. 伝統的な解析学の教科書や辞書としては, 例えば杉浦光夫先生の『解析入門 I・II』 や, 小平先生の『解析入門』があるし, そうした本を読むことを勧める人も多いだろうが, もしそうした本が合わなくても自分には数学は向いていないとか悲観する必要はないので安心してほしい.
いま読んでいるので踏み込んだことは言えないが, 著者の親切心, 野心, 哲学が感じられて面白いのでぜひ.

おまけ

実は私は線形代数の本をまともに読んだことがない*4. 『微積分』 のように一冊何か読んでみようかと考えている.

*1:私はこの本を読んだことはないので詳細な言及は避けるが, Sylow の定理も載っていないらしいので, これを読んだからと言って群論を勉強したことにはならないと思う. もちろんとっかかりにするのはいいと思うが.

*2:過去の記事にも書いたことがあると思うが, 人生で初めて真面目に読んだ数学書はこれである.

*3:素数 {p}{\bmod 4}{1} と合同であることと {p}{2} つの平方数の和でかけることが同値ということを証明したのもこれじゃなかったかと思う. 要するに {\mathbb{Z}[i]} の素元を決定したので.

*4:講義は聞いていたので中身を知らないわけではない