Diary over Finite Fields

515ひかるが書き溜めたメモとコラムと雑記

人生に影響を与えた1冊

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

一冊選ばなければならないというのがまぁ難しい. たぶん小説で一冊, 専門書で一冊, とか言われたらまだ決められそうなものだが, 人生に影響を与えるというのはさまざまな方向があるので一概には言えない. まぁでも選ぶとしたらこれしかないかなというのはやはり定まる気がする.

『想像ラジオ』 いとうせいこう著, 河出書房 にしよう.

私は実際にはこの表題作の文庫本や単行本は持っていなくて, 雑誌『文藝』で掲載された(つまり初出のはず)を所持している. いとうせいこう氏の特別ファンだというわけでもなく, なんとなく書店で目について買った. 文学の可能性を感じる作品である.

きっと誰もが衝撃を受け, 誰もが不安だった東日本大震災. 2012 年の春, 僕は大学入試を終え夢も希望もない学生生活を送っていた. 自堕落な日々. それは漠然として不安が重くのしかかっていたせいかもしれない. しかし, 2013 年の春, 僕はこの本に少しでもその不安を希望に変えてもらったのだと思う.

想像すればたしかに聞こえる.

あなたが生きてきた証も, あなたの死ぬ間際に残した心の叫びも, 全て. 我々残されたものはその声を聴く義務がある. 想像する義務がある. その死を乗り越えて生きるため, 自らの人生の光にするため. 目を背けず, 耳をふさがず, そうすればいつでもあなたに会えるから.