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Diary over Finite Fields

515ひかるが書き溜めたメモとコラムと雑記

可換体論で@515hikaruがヤバいと思ったランキングTop3

数学

 

可換体論で@515hikaruがヤバいと思ったランキングTop3

 

MathJax を使用し書き直しました, ちゃんと読みたい方がおりましたらそちらをご覧ください.

 

 

hikaru515.hatenablog.com

 

企画説明

どうも、@515hikaruです。はじめましての方ははじめまして。 知ってる人はこんにちは。

このテキストでは、いま名古屋大学の理学部数理学科、二年生が主体で行われている 「『可換体論(新版)』(永田雅宜著、裳華房)を@515hikaruが4年生になるまでに読み切 る会」(いま命名した)で、僕がヤバいと思った定理を紹介します。といっても、 まだGaloisの基本定理も証明して いないので、代数拡大の話しか出てこ ないですが。

事前知識

とりあえず"まったくself-containedを意識していない"状態で書いていますので、 ご注意。事前知識としては『可換体論』第一章程度の代数の知識があれば。Notation は、ある程度きちんとやりますが、もし書いていない部分 があっても『可換体論』準拠。まあ3つしか紹介しないし、証明もしない方針 で行くので、"『可換体論』読むとこんな事が分かるのか!"くらいの感想を 持ってほしいとは思いますが、 既にGalois理論やった人が読んでも、さして面白 いことはないと思います。(あらかじめ言っておきました。読むかどうかは 任せます)

定義とNotation

全体に通じるNotationをここでしておきます。とりあえず、環は単位元つき可換 環で、体は可換体をさします。特に、K,L,M…とか書いたら体だと思ってください。 また、K[X]と書いたら体K係数の多項式環。原則として不定元にはXを用います。 体の元は小文字a,b,c…でかくことにし、写像はσ、τなどギリシャ文字の小文字で 書くことにします。 また、K[a]と書いたら、体Kと元aを含む最小の環を表し、K(a)と書いたら体Kと元aを含 む最小の体を表します。

まだ定義としては不十分な気がしますが、その定理に必要な分だけ定義とNotation をすればいいので、とりあえずつまらない教科書調の定義の羅列はここでおしま い。ゆるふわな感じでいきなりランキング発表しましょう~~

第三位

任意の体係数の多項式に対し、その根を全て含むような体が存在する。

これはまぁ、アレですね。そのまんまです。要するに任意の体係数の多項式は (どこに根があるかを問題にしなければ)絶対に解ける、という定理。 既修者のために言っとくと、いわゆる最小分解体の存在です。

代数的な元の定義を考えると当たり前では?という気がしなくもないんですが、この定理がないといろんなことが考えられない(考えにくい)ので、載せておきました。(代数的な元の定義は下に書いてあります)

第三位タイ

任意の有限体の単元群は、巡回群である

さすがに短すぎた気がするので三位タイを急きょ加えました。まぁそんな裏事情 はどうでもいいけど。

さて、体は0を除けばその体の乗法について群になりますが、それは巡回群になる、 ということですね。これは、有限体の有限次代数拡大は単拡大にできることを 象徴する定理です。(ああ全然初学者に優しくないテキストだ)

第二位

体K上代数的な元aがあったとき、aのK上で既約であり最高次係数が1になるような 多項式f(X)が一意的に定まり(最小多項式という)、かつK(a)はK[X]/f(X)K[X]と同型 で、しかも体の拡大次数n:=[K(a):K]=(fの次数)。さらに、K(a)はK上ベクトル空間 として基底{1,a,a^2,…,a^(n-1)をもつ

長い!!

いきなり長くなりました。まぁこの定理がやばいというよりかは、この定理が あるから我々は代数拡大を議論できるといっても過言ではないくらい頻繁につかう 定理なので、ここに挙げておきます。

今までのところ初学者にまったく優しくないので、この定理だけでも真面目に 解説しましょう。私が元気なうちに。

代数的な元とは

細かいことはハショりますので知っている人も文句言わないでください。

Kの上にaが代数的:⇔K係数多項式で、aを根にもつものがある、ということ だから、aを根に持つような多項式の中で次数が最小であってさらに最高次係数を1に するようにとれば、実はそれはf[X]K[X](単項イデアル)がK[X]の極大イデアルになっている。したがって、K[X]/f(X)K[X]は体になり、(ごまかすけど)K(a)と同型になってますよ、というような定理です。

拡大次数というのは、いま、KをLの部分体とすれば、LはK上のベクトル空間と みなすことができます。そのときのベクトル空間としての次元(基底の数)が拡大次数 で、[L:K]と書きます。

応用:複素数体を代数拡大で作る

複素数体を作りましょう。まずこの節でRと書いたら実数体、Cと書いたら複素数 体とします。(諸事情で白抜きできなくてごめんなさい)

さて、R[X]の多項式、X^2+1の根はR上に根を持ちませんが、根iを形式的に導入 しましょう。つまりi^2=-1。これはR上代数的で、X^2+1はR上既約。したがって、上の定理から、R[X]/(X^2+1)R[X]は、1∈Rと、iを基底とするベクトル空間になります。 つまり、みなさんがよく知ってる複素数体です。代数拡大で作ると、一瞬です。 ちなみに、これを(つまりR(i)を複素数の定義とする流儀もあるようです。

第一位

Artinの定理

Artinの定理という呼び方が一般的かどうかが分からないので、一応主張を書いて おきます。

Lの自己同型群AutLの有限部分群Gをとると、Gの不変体K上でLはGalois拡大に なっていて、しかも[L:K]=#(G)(Gの元の数)であり、Gはガロア群。

なにがすごいのかというと、一般性が高すぎる。とりあえず、AutLの有限部分群 をとってしまえば、実はそれはガロア群になっているということです。 うむ、すごい。

Galois拡大というのは分離的正規拡大で、Galois群はL/KがGalois拡大 の時のK同型がなす群です。(全く説明になっていないことは自覚している)

 

というところで、終わりです。まぁ自分でも面白いとか面白くないとかよくわからないです。ただの感想文ですし。

ま、Galoisの基本定理を証明してからこの文章を書くべきだった感しかないですね。

可換体論ゼミ自体はまだまだ続きます。進捗としては、2013年12/8時点で第二章§7をやっております。名古屋近郊のかた、興味があればご相談ください。

 

ではまた。